百日咳とは|症状・うつる期間・出席停止について

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百日咳とは|どんな病気?

百日咳菌(ひゃくにちぜききん)という細菌の感染により、発作のような咳が出る呼吸器の感染症です。

三種混合or四種混合ワクチンで予防できる病気ですが、ワクチンの免疫効果が減ってしまった年代の患者数が増加しています。

多くが小学校高学年以上で、15歳以上が全体の25%を占めます(2016年)。ただ、ワクチンの免疫効果は4~12年で減ってしまうため、4歳以上の患者も増加傾向にあります。

百日咳菌の原因菌は2種類あり、また一度かかっても終生免疫を獲得できないので、2回以上かかる可能性があります。

※終生免疫:一生かからない強い免疫

百日咳の症状|かかるとどうなる?

鼻水や咳といった風邪のような症状から始まり、次第に咳がひどくなっていきます。熱はないか、あっても微熱です。

咳が止まらなくなる発作が頻繁に起こるようになり、むせて嘔吐する場合もあります。発作の最後に、息を吸い込むときに「ヒュー」と音がするのが特徴です。

そこから1ヵ月ほどかけて徐々に回復していきますが、しばらくはむせやすく、すぐに咳が出る状態が続きます。

年齢が低いほど重症化・長期化し、大人になるにつれて軽くなる傾向があります。咳が完全になくなるまで、発症から通常2~3ヵ月かかるとされます。

その後半年ほどは、風邪をひくと発作のような咳がでやすくなることがあります。

百日咳の症状を調べると出てくる「カタル期・痙咳(けいがい)期・回復期」といった典型的な経過が見られるのは、ワクチン未接種の低月齢児や1歳未満児の場合がほとんどです。ワクチン接種後あるいは成人の場合は、突然咳の発作が起こったり、咳が長引くだけなことが多いです。

百日咳の治療|病院に行くと?

抗菌薬、咳を鎮める薬、痰を出しやすくする薬などが処方されます。気管支を広げる薬が出ることもあります。

早期に抗菌薬による治療を開始すると、菌の増殖を抑え、症状を軽くできる可能性があります。発症から日数が経ち、咳の発作が起こるようになると、抗菌薬で症状をよくすることはできません。咳が3日以上続くときは早めに受診しましょう。

抗菌薬には周囲への感染を防ぐ目的もあります。きちんと服用すれば5~7日で菌の排出がなくなるので、必ず最後まで飲み切るようにしてください。

百日咳の検査|どんな検査をする?

発症してから4週間以内であれば、検査キットをつかって菌の有無を調べます。鼻の奥を綿棒でこすり採取した分泌物を使用します。病院内で検査できれば数時間、検査機関に依頼すると3日前後で結果がわかります。

発症から4週間以上経過していると正確な結果が出ないため、別の検査方法になります。

血液検査を行う場合もあります。発症後すぐと2~4週間後の2回、血液を採取して、数値の差を見て判断します。

数時間で結果がわかる血液検査キットが2016年に承認されましたが、まだ一般的ではないようです。

百日咳の早期診断方法がまだ確立されていないため、検査結果が出るまでに時間がかかる場合が多いです。百日咳と確定されるまえに、治療が開始されることもあります。

百日咳の出席停止|診断されたら?

咳がなくなるまで、または抗菌薬を5日間飲みきるまでは出席停止となります。学校・園に連絡しましょう。

医師が「周囲にうつす恐れはない」と認めるまでは登校・登園できません。

百日咳の潜伏期間とうつる期間|いつかかる?

潜伏期間は7~10日です。発症~3週間は咳で菌を排出するので、周囲にうつる期間となります。

咳が出てから2~3週間が最もうつりやすい時期です。抗菌薬を服用すれば、うつる期間を短縮することができます。

百日咳の感染経路|どうやってかかる?

感染力は非常に強く、飛沫感染、接触感染します。

家族間の感染率は、ワクチン接種した人でも20%、ワクチン未接種だと80~90%とされます。

菌の付着した手で鼻を触ると、粘膜から感染します。患者の咳やくしゃみによる飛沫が周囲に付着すると、乾燥しても3日間感染力があるとされます。

百日咳の予防法|かからないためには?

手洗いの慣行は大前提ですが、ワクチンで予防できる病気です。1995年4月から接種開始年齢が生後3ヵ月になったので、定期接種は必ず打ちましょう。

また任意(自己負担)ですが、就学前や15歳以上の追加接種も推奨されています。定期接種のワクチンの免疫効果が減っている・消えている可能性があるので、病院で相談してみましょう。

咳の長引いている大人が、1歳未満の乳児の感染源になることが多々あります。近づかない、マスクをする等、対策しましょう。

百日咳の重症化|ひどくなると?

1歳未満、とくに生後6か月未満では重症化する危険が高いです。百日咳は母体からの免疫がないため、低月齢からかかります。

生後3ヵ月までの乳児では典型的な咳の症状が出にくく、息を止めているような無呼吸発作、唇の周りが紫に変色するチアノーゼ、けいれん、呼吸停止など、救急搬送が必要な重い症状が起こることがあります。

合併症としては肺炎や脳症があり、死亡例もあります。1歳未満の乳児には、感染させないように配慮が必要です。

まとめ

咳が3日続いたら受診
抗菌薬はぜんぶ飲み切る
ワクチンで予防できるが免疫効果は消えていく
乳児の感染源にならないよう注意する

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