プール熱とは|症状・うつる期間・出席停止について

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プール熱とは|どんな病気?

アデノウイルスの感染によって、発熱、のどの痛み、結膜炎(けつまくえん)などが起こる病気です。

正式な病名は、咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)です。

通年みられる日常的な感染症ですが、流行は6月から始まり、7~8月がピークで、10月頃まで続きます。ただし、近年では冬の時期にも小規模な流行が起こることがあります。

季節性流行、つまり夏の主な患者は小学生と言われますが、全体でみると患者の約6割は5歳以下です。

一度かかると免疫を獲得するので再びかかることはありませんが、アデノウイルスには種類があるため、別の種類のウイルスに感染すると再びプール熱を発症することがあります。

プール熱の症状|かかるとどうなる?

発熱で発症してから、4~5日ほど高熱(39~40度)と微熱(37~38度)を繰り返し、同時にのどの痛み、咳、頭痛、腹痛、下痢、食欲不振などが起こります。

さらに片目or両目の充血や目やにといった結膜炎の症状があると、プール熱と診断されます。通常、炎症は下まぶたに強く出ます。

症状がひどいのは発症から3~5日程度で、その後残る症状も発症から1~2週間でおさまります

後遺症が残ることもほぼありませんが、まれに重症の肺炎を起こすことがあります。とくに生後14日までの新生児と、心肺機能や免疫機能に基礎疾患のある人は、呼吸障害や二次感染の併発など、重症化しやすいとされます。

また、ウイルスが耳や鼻に侵入すると、中耳炎や副鼻腔炎を起こす原因になります

プール熱の治療|病院に行くと?

特別な治療法や特効薬はなく、症状を緩和させる対症療法となります。原因がウイルスなので抗生物質は効きません。

自然に治っていきますが、発熱や腹痛といった症状がプール熱の症状であるかどうかは、素人には判断できないので、他の疾患である可能性も考えて受診しましょう。

一度受診して自宅療養中に症状がひどくなった場合には、再受診したり病院に電話相談したりして、早めに医師の指示を再度仰いでください。最初の診察で、再受診の基準を質問しておくと安心です。

プール熱の検査|ウイルス検査はする?

医師は、患者が3つの症状(発熱・のどの腫れ・結膜炎)を起こしていればプール熱の診断を出すことができます

疑わしいけれど上記3つの基準を満たしていない場合には、検査を行うケースがあります。

咽頭ぬぐい液(鼻の奥を綿棒でこすって採取する)や、唾液、鼻水、便などを採取してウイルスを検出し、診断します。迅速な検出が可能な検査キットがあり、その場で結果を知ることができます。

プール熱の出席停止|診断されたら?

プール熱は学校感染症なので、診断された場合、熱・のどの痛み・結膜炎などの主要症状が治った日の翌日から2日間は出席停止となります。

医師の指示に従って通院し、学校や園に連絡して、外出や人に会うのは避けましょう。

プール熱の潜伏期間とうつる期間|いつかかる?

アデノウイルスの潜伏期間は5~7日ほどです。発症してから2週間ほどが周囲にうつす恐れのある期間です。

潜伏期間、つまり発症前に人に感染させる恐れはありません

症状が消えたあとも、のどからは1~2週間、便からは1ヵ月ほどウイルスが排出されるため、1ヵ月間は手洗いを徹底しましょう。

プール熱の感染経路|どうやってかかる?

アデノウイルスの感染力は非常に強く、飛沫感染、接触感染、糞口感染します。

ウイルスは患者の唾液や便、涙に含まれ、咳・くしゃみなどの飛沫、患者が触れた物への接触、嘔吐物の処理やおむつ替え後の手洗い不十分などで感染します。

ウイルスの付着した手で口や鼻、目を触ると粘膜から感染するので、家族内の集団感染も起きやすいです。

かつてプールの水を介して流行したため「プール熱」という俗称がありますが、塩素濃度の管理が徹底された現在では、プールの水で感染することはまれです。実際には、プールでの接触やタオルの共有で感染すると考えられます。

プール熱の予防法|かからないためには?

ワクチンはありません

ウイルスを体内に入れないために、せっけんと流水による手洗いをしっかり行いましょう。アルコールと熱による消毒も効果があります。

プール・温泉施設利用の前後にはシャワーを浴び、タオルの共有は避けてください。

まとめ

プール熱の主な症状は発熱・のどの痛み・結膜炎
ワクチンはなく手洗いで予防
元気になってから2日間出席停止になる学校感染症
タオルは一人一枚

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